風通し、いいですか?
組織力を決めているのは、個々人の力量もさることながら、一番大事なのは社長も含む、組織のコミュニケーション力である。近頃、「働き方改革」の潮流から生産性向上のテーマで相談を受けるようになってきた。僕が行うコンサルテーションではまず組織のコミュニケーション状態を聞かせていただく。こんな感じだ。
僕:「どなたか御社で一番新人の方とお話ししたいのですが・・・1分ほどよろしいでしょうか?あ、事務をされているAさんですね。1つだけ質問させてください。」
Aさん:「・・・はい、なんでしょうか?」
僕:「御社の社長は、将来この会社をどんなふうにしたいのでしょう?」
Aさん:「さぁ、わかりませ〜ん」終了。
この組織の風通しの状態はいわずもがな。例えばこの状態で研修や制度の改革、システム導入を図ったところで、残念ながら成果はあまり期待できないだろう。生産性向上を図るには、ベースとして、人と人との関係性(コミュニケーション状態)を良くしていくことが大切だ。なぜならどんな仕事でも一人で完結する仕事はないから。あなたの会社もチームプレイでやっているはず。ちなみにこの会話になる組織のトップは、大抵こう言う。「何度も繰り返し伝えているんだけどなぁ〜」と。
コミュニケーションといっても、ただ話せばいいわけでない。僕なりの7つのポイントを示してみたい。
1 何を言ったかではなく、相手に何が伝わったか(要確認すべし!)
2 言葉の定義を合わせよう(曖昧コトバは会社内にたくさんある!)
3 情報共有の前に、実現しようとする価値を共有しよう(価値にフォーカス!)
4 わかったふり厳禁(つもり症候群、かなり多いっす!)
5 事実と解釈を分けて話そう(事実!事実!事実!
6 上司こそ部下にホウレンソウしよう(さすれば部下もやりやすくなる!)
7 ざっくばらんな雑談を推奨(歩き話、立ち話、連れションなど最適!)
組織のコミュニケーションとは、人の体で言えば「血液」にあたる。血液はドロドロだと病気になる。サラサラなのが健康につながる。組織も同様だ。
生産性向上の手段をアレコレ考える際にまずは、「ウチの組織って今、風通しいいのかな?」とリーダーは問うてみるべし。”どこかで血栓がないだろうか?”(大抵ある)誰が悪い、ではなく、「誰と誰の間」か、「どの部署とどの部署との間」か、そういった関係視点で風通しの様子を見てみよう。間に目を向けるのだ。
コミュニケーション力の向上こそが、生産性向上の基本であり、実は即効性もある。
この夏、「風通しサラサラ改革」ってどうですか?