KOMA NOTE

”軽やかにシンプルに生きていく”考え方や実践をフリーランスの人材育成クリエイターがつづります。

いつかあなたとも信頼で通じ合う仕事をしよう。

先週末、急な仕事の依頼があった。
某企業向けのオンライン研修。
対象は4月に入社したものの、ずっと自宅待機の新入社員たち。

 

テーマは「社会人に必要なビジネス・コミュニケーション」。

 

見事にざっくりだが、そこは筆者もプロの端くれである。ここで必要なのは、
限られた情報から想像の限りを尽くして言葉にならない相手の要望を汲み取っていくことだ。

 

与えられた準備日数は正味4日間。
思考2日間。残り2日でスライド70枚を作成させた。
いつもいかなるワークショップでもホワイトボード1枚。
そのポリシーでやってきた筆者だが、近頃はオンライン仕様でPCと再び仲が良い。手段は目的に従うべし、だ。

 

さて、昨日首尾よく研修を終えた。
6時間のオンラインでの研修は想像以上にドッと疲労がやってくる。
しかし、あることで爽快な気分も同時に湧き上がってきた。


社会という大海原に、会社組織の一員として意気揚々と船出しようとしたにも関わらず、一度も職場に出勤することなく、配属も分からず、上司すら未定。

 

正直なところ、今は「一個人」状態。

大手企業を除けば、そんな状態の新社会人も多いのかもしれない。

 


「一体、今のワタシは何者なんだろう?」

 

 

そんな生まれて初めての
アイデンティティ・クライシスが起きている。

そこで改めて気付くのは、
「人は関係の中で生きていること。」

あなたが何者か、それは様々な他者との関わりの中で認識されていくのだ。

 

そんなこといちいち平時は考えなかった。

しかし、今は有事。
そんな今、私たちが改めて学べること、
それは社会や他者との関わりのあり方なのかもしれない。

 

だからビジネスコミュニケーションというざっくりした
テーマを、こう置き換えてみた。

 

「”人から信頼される”話の聞き方と伝え方」

 

単に誰かと関われたらいいのではない。
そこで信頼を獲得していける自分であること。
今は天から与えられた特別な準備期間であり修練チャンスと捉えてみてはどうか?

人から信頼されている実感を得られない時、
人は孤独を感じ、職場や社会においては存在意義を失う。

信頼のかけらも生まれないビジネスコミュニケーションほど虚しいものはない。

 

そう、企業も個人も究極欲しいのは「信頼」なのだ。
ビジネスにおけるコミュニケーションとは信頼の創造活動なのではないだろうか。

 

もうすぐ世の中も落ち着き、経済活動もかつてのように戻ってくるだろう。
出口のないトンネルはない。


そして今後デジタルツールがどれだけ発達しても、社会活動において人と人との信頼の大切さ不変だ。


むしろ出口の先にある新時代というのは、
信頼を得られない企業や人材が、ますます選ばれなくなっていく社会だろう。

 

人から信頼され、信頼で関われる社会人になろう。
そんな祈りと共にメッセージと絞り込んだ技術を手渡した。

 

 

研修が終了しオンラインを切りふーっと気持ちを緩めた直後、メールが届いた。

ある参加者の感想だった。

 

「とても意味のある時間だった。ずっと忘れないようにしたい。」


この素朴な一行で僕の疲れは爽快に変わりました^ ^

 

いつかあなたとも信頼で通じ合う仕事ができたら嬉しい。


どうもありがとう。