重は軽により支えられているのだ。
こんにちは、駒込浩明です。
大木を支えているのは、細かい根っこであり、大国を支えているのは、一人ひとりの弱い人間に過ぎません。しかし、軽いモノが多く集まればこそ、大きなモノを支えることが可能になります。
『大きな物事には、その下の蔭で支えている小さな物事がある。』
私たちには比較的スッと入ってきやすい真理ではないでしょうか。
つまり一見ムダだと思われているような物事でも、より大きな物事を支える役目をしているのだ。そういったことは世の中たくさんあります。
例えば、企業組織。
効率を上げるためにムダだと思われた社員を全員解雇した。ところが、有能な社員も後から順々に辞めていき立ち行かなくなった。背景には、評価されない下仕事をする人間が解雇していなくなり、それを有能な社員がやる羽目になった、そんな仕事をするのはアホらしいから俺も辞めようとなった。つまり、ムダだと思われていた社員が嫌な仕事をしてくれて「いた」。どの企業にも、評価されないが誰かがやらねばならない”見えない仕事”ってあるわけです。それを誰かが役割分担してやっているから組織は機能して「いた」わけです。
ちなみに発展する会社には必ずお母さんのような有能な事務員さんがいるものです。
かの老師はこの真理を数千年も前に、「重は軽により支えられているのだ」と看破していたようです。
数千年経った現代社会にも十分通じますね。
私のお客様で経営が上手くいっている経営者は、総じて社員とのコミュニケーションを大事にしています。反面、上手くいっていない経営者は忙しさを理由に社員と会話していません。社員がいま何を考え、どういう気持ちで働いているかさっぱり知りません。故に、その先にいる顧客の気持ちもたぶん理解していないでしょう。
これは経営のみならず、一国の代表者、政治家、そして家庭にも言えることかもしれません。今世の中を騒がせている東京都知事のことや、一週間行方をくらませてしまった子供、、、世の中の人間模様から私たちが学ぶべきことはなんでしょうか。
今私たちが健康で豊かに仕事ができている蔭には、必ず「見えないお蔭様」が存在していることを決して忘れてはいけないのだと思います。
私の場合はつきなみですが、家族。
いつも3人の子供の言葉や振る舞いから私たち大人は成長の種をもらいます。
妻は子育ての傍ら、私の健康を考えた食事を毎日作ってくれています。
祖母や祖父の何気ない一言に本質が凝縮されていることがあります。
身近な自分の家庭が成り立つからこそ、私の場合、外での企業組織のサポートという仕事が成り立つのだと思うのです。
「隠れて支えている人・物事を大切にしなさいよ」
大切にするとは、小さな声に耳を傾ける、目を向けるということです。
この週末、家族で伊勢志摩を旅行しながら、僕はそんなことを考えておりました。
今日も笑顔を忘れずに。
今年初、伊勢神宮への参拝。この大木も数多くの見えない根っこが支えているのでしょう。