迷ったら名前という原点に立ち返ればいい。
原点に立ち返るという基本
企業のコンサルをさせていただく際、まずは最初に経営者と面談をします。
その際、一番最初に質問することがあります。
それは、筆者の場合「社名の由来」です。
特に創業者の場合、その1つの質問からたくさんの情報が紐解かれる場合が多いのです。多くの経営者は、よくぞ聞いてくれたとばかりに嬉しそうに話します。
話し出すと、なかなか止まりません。
ほんとうはもうそのまま飲みに行ってもいいくらいです笑。
たとえシンプルな社名だったとしても、そこには経営者の思い、価値観が込められているもの。
しかし一般的にはよほどトリッキーな名前でない限り、その由来に興味を持ち聞いてくれる人はほとんどいないのが現実でしょう。
なので、筆者のように社名の由来を全身で聞いてくれる存在は稀有なのかもしれません。
自分の大切なことというのは、聞いて理解して共感してほしいのが人間です。
なぜかといえば、社名とは経営者にとっての大切な宝であり原点だから。
経営とは問題解決の連続です。
しかも日々スパゲッティのように複雑に絡み合っていくもの。
特に筆者の場合、組織人事が対象です。
人の問題なぞ、原因が単純なわけがありません。
その複雑さに迷い心が折れそうな時にこそ、そもそもの原点に立ち返ることです。
原点の1つが社名だったり、創業時の言葉にあったりするものです。
「御社(あなた)はそもそも何がしたかったのですか?」
1回原点に立ち返ってから現状や未来をみると、シンプルになります。
いま心を悩ます問題からは一見かけ離れているように思うけれど、本質的な解決のヒントは、実は原点に立ち返ることであっさり見つかったりするものです。
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子育ても同じかもしれません
筆者が小2の長男に日々注意する内容に、ある共通点があることに気づきました。
それは、「人への思いやりがない言動」に対して、なのです。
我が子のことで妻と話し合いをしていた時に、ある問題でう〜んと膠着状態になったので、そもそもどんな子に将来なってほしい?と問いを立てた時に、思い出した感じです。
そうだった!と。
お子さんがいらっしゃる方は同じだと思いますが、子どもが産まれた時、将来こんな子に育ってほしいと一生懸命考え、願って「名前」を付けませんでしたか?
企業の原点が社名にあるならば、子供のたったひとつの原点は名前にあります。
筆者の場合、長男には勉強やスポーツができなくても、人と人の間で優しさや思いやりを発揮できる子になって欲しいと願いを込めて名前を付けました。
つまり、「思いやりのある人間」というビジョンが名前に含まれているので、思いやりのない言動に問題を感じてしまうのだと気付いたのです。
親が伝えていきたいのは思いやりの大切さ、発揮の仕方だね、と。
迷ったら原点に立ち返るという基本。
それは世界にたったひとつの名前にあったりします。
これだけでいいのかもしれません。
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今回は企業経営、子育ての悩みに対して、迷ったら原点に立ち返ってみては?
という投げかけをさせていただきました。
これだけが唯一の正解だと言いたいわけではなく、ひとつの参考にという程度の話しです。
でも実際子供をデパートに連れて行った際にも、こんなことしませんか?
「もしも迷子になったら、この目印にくること」と。
人は原点をしっかり認識できたら、たとえ途中ではぐれて迷っても大丈夫です。
必ずまた立て直すこと、立ち直ることができます。
もしも今、迷っていることがあれば、自分や関わる人たちとの原点を再確認してみてくださいね。
前に進むための大切なヒントがみつかるかもしれませんので。