KOMA NOTE

”軽やかにシンプルに生きていく”考え方や実践をフリーランスの人材育成クリエイターがつづります。

なぜ私たちはアンサングヒーローに心を奪われるのか。

思考整理コンサルタント駒込浩明です。

 

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『アンサングヒーロー』(Un Sung Hero)。

 歌われることのない英雄。

 

つまり、 

 

『縁の下の力持ち』。

 

決して目立ちはしないけど、

他者をいつも影で支えている存在のこと。

 

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私はラグビーというスポーツを観るのが大好きです。

 

子供の頃、正月の風物詩といえばラグビーでした。

 

毎年の正月は、家族団らんの茶の間でブラウン管を通して

 

試合というより、赤いユニフォームを着たヒーローたちの

 

痛快劇を見ているかのような時間。

 

その痛快劇とは・・・・

 

 

『北の鉄人』と呼ばれ、

 

日本史上、前人未到の日本選手権7連覇

 

を成し遂げたラグビー史に名を刻む伝説のチーム。

 

 

そう、「新日鉄釜石」のラグビーです。

 

 

ご存知でしょうか?

 

私の年代以上でないと、リアルタイムでの記憶はないかもしれません。

 

そもそもラグビーに興味すらなければ、これ以降は

 

こまさん、お前は一体何を熱く語っているのだ??となるでしょう。

 

 

それでもいい。

語らずにはいられない理由があるので

 

時間があれば、少しお付き合いください。

 

 

新日鉄釜石ラグビーがなぜ痛快だったのか?

 

まず地元の高卒出身者が多く、いわば「雑草集団」。

 

それが、名の知れた有名大学や有名企業チームを破り、

連勝していくのです。毎年、毎年。

 

もはや炎のジャージーと大漁旗は、新年の幕開けを象徴するシンボルでした。

 

名シーンは数え切れないくらいありますが、例えば1985年の日本選手権、対同志社の試合での松尾の「8の字サイン」。

 

子供心に鳥肌を立てて観ていました。

 (もし興味があればユーチューブで。私は何度も観ています)

 

 

片田舎のチームが、当時にしてはトリッキーなサインプレーや洗練された知的チームプレイで相手を次々と翻弄するのです。

 

同じ郷土から出たチームが日本一になる物語。

 

子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、観るものに誇りや勇気、自信を、試合を通して与えてくれたのです。

 

 

その新日鉄釜石ラグビー部の花形はやはりチームの中心にいた松尾。

 

高卒中心チームの中、数少ない大卒エリートで、「天才スタンドオフ」と呼ばれた存在です。

 

大人になった今でも時々ラグビーの話になった際には、「松尾」といえば、「ああ〜はいはい」と話が通じやすいので、

 

「あの松尾のいた」「松尾がね・・」と、まるでファンかのごとく使いますが、

 

 

 

ほんとうはね、ほんとうに私が好きだったのは、

 

 

洞口孝治」でした。

 

 

背番号3。

決してイケメンではありません。

一言でいうと優しそうな巨漢。

 

いつも顔も体も泥まみれでスクラムを押している姿が、大好きでした。

 

(ここまで読んでいる方はもはやいないかも、ですね・・)

 

ポジションはプロップだったと思います。

 

ただただひたすら相手とぶつかっていくシンプルな役割です。

 

 

でも・・ラグビーの面白さを洞口に教えてもらいました、私は。

 

これほどわかりやすく人の気合が伝わって来る行為は、普段なかなかお目にかかれません。

 

激しく全力で突っ込んでくる巨漢のぶっとい足めがけて頭から突っ込んでいくんですよおかあさん!

 

 

 

華麗なステップで相手を翻弄する松尾がヒーローとするならば、泥まみれでもくもくと組み、もくもくと押す洞口はアンサング・ヒーロー。

 

 

ラグビーってチームのために、誰かが勇気をもってぶつからないと始まらないのです。

 

相手が誰であろうとぶつかる。でもその後ろには仲間が必ず続いてサポートする。必ず、です。だから仲間を信頼して突っ込んでいく。

 

そのタックルは1回こっきりではありません。

 

何度も、何度も。

 

立て続けに倒れても倒れても、起き上がってぶつかっていくのです。最後、本当にぶっ倒れたりすることもあるわけです。

 

そういった体を張ったこれでもかという貢献の末に、トライした人はガッツポーズなどせず、淡々と自陣に帰る。

 

「自分の手柄ではなく、全員で取ったトライですから。ありがとう。」

 

そういわんばかりの謙虚な小走りが、観る人への深い感動を与えるのです。

 

「One for All,All for one」

 

当時はそんな言葉知りませんでしたが、

 

まさに言い得て妙。

 

まさにアンサングヒーローたちに心奪われるスポーツなのです。

 

ラグビーって素晴らしいスポーツだな、これからも応援していきます。

 

 

 

 さて、ここまでどうして長々とラグビーのことを語ったかというと、 昨日、ここ3年ほど社員教育をサポートしているN社の年度キックオフに、社員でもないのにフルに参加させていただきながら

 

ずっと感じていたことが、

新日鉄釜石」だったからです。

 

 

表彰の場面では、数名のアンサングヒーローが讃えられていました。

 

そして、MVPをとったGMの方がステージで語る姿が、私にとってはもはや「洞口」と重なって見えたのです。

 

華々しいヒーローを目指すだけが理想なのではなく、縁の下で下支えする アンサングヒーローという生き様だってあるのだよ、若者よ。

 

洞口、いやGMの方はそんなメッセージを投げかけているように感じました。

 

アンサングヒーローの存在にきちんとリスペクトを示すN社の風土。

 

素敵です。今年も陰ながら精一杯お手伝いをさせていただきます。

 

N社のM社長。北の鉄人ならぬ「南の鉄人」、目指しませんか⁉︎