仕事とは準備に他ならない。
彼を特集したNHKの番組をたまたま観た。
ふだんの練習では、彼は開始2時間前に体育館に入る。
入念なストレッチ等、やるべきことがたくさんあるのだ。淡々と言う。
例えばバスケットシューズを履くのに15分もかける。
同僚は笑っていた。真似できないっすと。
紐を緩めたり、閉めたりずっと繰り返しながら、
その日の足にフィットする瞬間を探る。決して妥協しない。
彼のルーティンワークなのだそうだ。
6、7年前になるだろうか、
実は彼の試合を一度生で観たことがある。
試合前、他のチームメンバーがボールを触りながらウォーミングアップしている中、体育館の片隅でひとりずっとストレッチをしている小柄な人が居た。
それが田臥選手だった。
日本人で初めてNBAの試合に出場した方。
試合では、彼のプレイに魅了された。
田臥選手やバスケのことが詳しいわけではないけど、
例えるとサッカー界のレジェンド、三浦カズの姿勢にどこか似ている気がした。
野球でいえば、かのイチローや今年MVPを獲得した大谷選手か。
共通しているのは、誰よりも「準備」を大切にしていることかもしれない。
試合を点で捉えるのではなく、
練習や普段の生活と線でつながっていると考える。
だから先手先手で準備をする。
しかもごっつていねいに。
準備万端でアウトプットの機会を迎える。
だから高いパフォーマンスが出せる。
それが真のプロにとっての「あたりまえ」なのでしょう。
翻って僕の場合はどうか・・・
周到に準備した小ネタが全く受けない時なんて多々あるが、
2時間のセミナーだろうが1時間の面談だろうが、
準備は大切にしているつもりでいた。
でも経験を積み、場慣れしてくると、
その場の雰囲気を重視して準備したものをバッサリ捨てる技術も身につく。
しっかり準備しているからこそ、できることなんだが・・
しかし「先手、段取り、用意周到さ」など
最近フッと甘くなっている仕事があるかもなぁ。アレとかコレとか。
うん。過信だ。
僕のようなフリーランスは組織で働くのとは違い、
周囲からほとんどフィードバックをもらわない分、
自分を客観視し、内省する作業は極めて大切なルーティンワークだ。
深夜にビールと柿の種を食べながら、
田臥選手の妥協なき「準備」の姿勢に襟を正された気がした。
「仕事とは準備」。
それに他ならないと改めて肝に銘じよう。
PS、
純粋に田臥選手のファンになった。
Bリーグ元年。ぜひまた試合に足を運びたいと思う。