KOMA NOTE

”軽やかにシンプルに生きていく”考え方や実践をフリーランスの人材育成クリエイターがつづります。

「管理職なんてなりたくないサー」と即答するあなたへ

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村さ来」で悔し泣きしながら呑んだサワーの味


筆者が社会に出たのは1997年です。
日本経済がちょうどピークアウトしたタイミングで、じんわりと社会が冷え始めてきた時期。

世に言う「就職氷河期」といわれる社会でした。

そんな中でたまたま某サービス企業に就職できた筆者。
最初はまったく組織に役立たずでしたが、当時同期同士で共通の話題のひとつは「出世」についてでした。

管理職に昇進すること。
これが会社員の王道の成功モデルであり、憧れのゴールでもあったわけです。

同期が先にリーダーとかになった日の夜は、悔しくて悔しくて駅前にあった「村さ来」という居酒屋で夜通しサワーを呑んだくれたという、なつかしい思い出もあります。あのサワーは苦くて美味しくなかった…

そんなこと当たり前の空気感が時代にありました。

 

 

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出世したくないという、若者にみる違和感

ひるがえって現在。
企業で研修講師をしていると、たびたび真顔で言われます。
「管理職ですか?あ、イヤです。(なりたくない)」

それはそれは見事な即答をしてきます。

 

たしかに管理職なんて、今の時代においてはかっこいい存在ではないのかもしれません。プレイング業務はそのままで、責任と上下からのプレッシャーが追加される、飲み屋では上司は酒の肴どころかアテ、でしょうか。そんな何の得もない負荷大の罰ゲームですか!?ぐらいに見えているのかもしれません。

当の管理職はといえば、やれ部下育成しろ、とか経営視点をもて、とか、新手の管理職研修出ろとか、ファシリテーターやれとか言われ…


勇気を出して若手に注意してみれば、「それはパワハラなのでは?」とか疑惑を持たれ。

 

もうやってらんねぇよ、となっている人もいるのでしょう。(アレコレ俺にできるわけねぇだろ!と実際吐き出していた方がいましたが)

 

筆者も末席でしたが管理職経験がありますので、一定の理解と共感はしたいと思います。組織で管理職をしていた当時の方が今より老けていましたからね。白髪も多かったし。。

 

いま仕事でお会いする管理職をしている方々、たしかに表情疲れ切ってますもん。
まだ午前中だというのに、もう夕方のような疲労感を漂わせている方と会うと、いつかの自分と重ねたりすることもあります。

そりゃ若者たち、なりたくないと言うのも一理あるかもしれません。

 

しかし。
そんな現状をわかっている上でも、管理職への昇進や、出世を望まない若者たちに筆者はある違和感をもつのです。何か大切な視点を忘れているように思うのです。

 

そもそも出世するというのは、どういうことでしょうか。筆者はこう思います。

 

自分に対する周囲からの信頼残高がたくさん貯まった、その結果なのだ、と。
「あなたなら任せられる」そう周りから認められた総量の結果であり、証なのです。

 

出世なんてしたくないし、しなくていい。
でも私のことをいっぱい承認してほしい❤️

 

あなたはそう思うのでしょう。
大丈夫、安心してください。出世しませんから。

なぜなら、今まだ出世していないということは、まだまだ周囲からあなたは信頼されていない状態と言えるからなのです。

それは決してあなたのほんとうの理想の姿ではないはずです。
仕事をするからには、周囲から信頼をされてこそ、本当の面白さややりがいが分かってくるのだから。

 

管理職になりたくないとか、出世したくないとか言う余力があるならば、もっと周囲からの信頼を獲得していくアクションをたくさん起こしましょう。

決して今「なりたくないゼ!」とか声高に言い張ることではないのです。

 

いつか管理職になるかどうか、それは結果です。

もし将来出世したとしたら、その立場になった時にしか分からない、そこでの素晴らしい景色があります。
重いものを背負った奴しか分からない苦労と、その先にある成長が待っているのです。

ちなみに筆者が今コンサルタントとして独立して食べていけるのは、管理職の経験のおかげです。管理職経験がなければ、もっと薄っぺらいオッサンになっていたでしょう。

 

周囲から信頼を得て、結果として管理職を経験できること。
人生でとても大事なことだと思います。


これはイヤを通り越して一回ヤレ、そう整理したいと思います。