ゆとりですがなにか。
クドカンこと脚本家・宮藤官九郎さんに毎週日曜日の夜、嫉妬している自分がいる。
現在放映中の「ゆとりですがなにか」というテレビドラマが面白い。
(ちなみに私はゆとり世代ではない)
ドラマの面白さは、キャストの演技も大切だが、脚本で決まる(と僕は勝手に思っている)。
その脚本家がどんな言葉を使うかが、そのドラマの面白さを左右する。
うろ覚えだが、例えば、、
「良い先生じゃなくていいんで、良い人間になってください。」
「男として認めているから貸しを作ります。」
「年寄りは若者に対して意味もなく敗北感をもつ。」
「知らないことは脅威だ。だからゆとり世代として十把一絡げにして、一人一人に向き合おうとしない。」
もし自分が脚本家だとして、こんなセリフは到底出てこないだろう。
このドラマはそんな名セリフが随所にテンポよく出てくる。
クドカンワールド全開なドラマだ。
教育者、管理職やリーダーをしている方で人の育成に悩んでいる人は参考になる点が多いと思う。
残念ながらすでに後半に差し掛かっていると思うが、おすすめだ。
(もちろんドラマなので、緩急があり、好き嫌いはあるのが前提ですよ)
観る人の心の奥底に引っかかっている何か違和感らしきものを、生きた言葉、響く言葉というものに変換して表現してくれるドラマなのだ。
他のドラマは観ていない。今回たまたまこれを観てハマっている。正直にいうと僕は今までテレビドラマというものをどこか軽んじていた。そこに時間を費やすのは無駄でしかない、ぐらいに。
しかし、一流の脚本家の練り上げた言葉が詰まったドラマという作品は、ストーリーを楽しむだけではない。観る人の表現センスの向上にも役立つのではないだろうかと考えが変わった。
(もちろん残念なドラマもたくさんあるので、見極めが大事)
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ノウハウより、語彙。
心の中でモヤって感じていることを文脈の中で瞬時に的確な言葉に変換できる、つまり『語彙力』はリーダーにとって基礎体力だ、だから「読書習慣」は必須。
と僕は日々のセミナーで伝えている。
しかし、手段は読書だけじゃないのかも。テレビドラマというものを暇つぶしの娯楽としてではなく、「自分の語彙力を磨く」インプット手段として活かすのも大いにあり、だ。
最後に心に響いたセリフをもうひとつ。
「座るのは、案内されてから。注文は、聞かれてから。世の中てめぇ中心でうごいてんじゃねぇんだよ!ここはこの人の店だ。この人の間合いってもんがあんだよ。」
カリスマの名言もいいけど、フツウの人の息遣い感じる言葉に私の心はよく動く。
今日も笑顔を忘れずに。よい週末をお過ごしください。