孤独の効用。
久しぶりにかつて勤務していたコンサル会社の仲間と飲む機会があった。
共に悩み、ぶつかり、喜びを分かち合えた仲間との時間は本当に楽しいひとときだ。
現在僕だけが自営業で、他6人は別の会社でバリバリやっている。大抵こういう場では、僕への興味として”フリーランスで生きていること”への問いかけがある。興味を感じてもらえるのは嬉しい。
僕はいつも「孤独ですよ(笑)」と端的に答えることにしている。
事実、本当にそうだから。
今も自宅の仕事部屋で窓から見える遠くの生駒山を眺めながら、Tシャツと短パンでこのブログを書いている。
本日は終日自宅で仕事だ。
でも、「孤独だからこそ」の解釈は私なりにある。
今回は3つの効用として整理してみたい。
1つ目の効用は、「ありのままの自分の実力を直視できる」こと。
組織にいた時にはどこか過信していた点や自分の弱さをぼんやりさせたまま過ごすことができた。しかし孤独になると面白いほど鮮明に「自分の課題」が浮き彫りになる。要はできない自分と向き合わざるを得ない。録音した自分の声を聞く時のような恥ずかしさだ。しかしこれは群れから飛び出し、孤独に仕事をしていく人間の大事なスタートポイントだと思う。向き合う度に、次第にこういう心境になってくる。
”あるがままに。ないがままに。。” そして余分な力が抜けてくる。
2つ目の効用は、「感性が研ぎ澄まされる」こと。
とにかく日常の中で気づくことが格段に増えてくる。気づきとセットで「問い」も増えてくる。名探偵コナンのように「あれ〜なんでこの窓に鍵がかかっていたのかな?」「あれ〜なぜAさんは浮かない表情をしているのかな?」「こうかな、ああかな」などなど。常に問いと仮説を繰り返しながら自分の仕事やお客さんのお困りごとの解決に結びつけようとする自分がいる。かつて「仕事は問いが8割」と一人の師匠に教わった。振り返れば組織にいた頃の僕はコナンではなく、どちらかと言えば毛利小五郎だったかもしれない。「わかった、犯人はお前だー!」と(で、間違える)。
孤独であるというのは、言い換えれば一人の時間が増えるということ。つまり自分との会話が圧倒的に増えるのだ。「?」と「!」で頭はぐるんぐるん回転しだす。
3つ目の効用は、「行動スピードが変わる」こと。
極端だが、大抵のアウトプットは15分以内で片を付ける。これは業種によっても違うので一概に共通することではないと思うが、独立してコンサルをしている友人たちに聞くとほぼ一致した見解だ。一人で決められるから。しかも瞬時に決断していかないと生きていけないからだ。
組織にいると、どうしても人はスピードが鈍る。リーダーとメンバーは別だからしょうがない。これをやれ!とリーダーが指示を出しても、「えっなぜ今やるんですか?」「ちょっと質問してもいいですか?」しまいには勝手に「あとにしよう」など動き出すまでに時間をロスする。要はモタモタするのだ。もちろん組織だからこそ大きなことができるとか利点があるのは承知している。しかし正直なことを言えば、せいぜい売り上げ予算の達成ぐらいしか見ていなかったサラリーマン時代より、売り上げも経費もすべてダイレクトに自分の収入に反映する今の環境の方が、行動への意識は格段に高い。つまり、自分の行動スピード次第で手にするものが変わることを日々肌で自覚できるのだ。
「こまさぁ、サラリーマン辞めてからなんか変わったね、なんで?」とかつての先輩や仲間によく聞かれる。
端的に言えば、”群れから飛び出し、孤独になったからです”。
孤独になると、実は隠れた才能が開花するのかもしれません。もちろん今組織の中で働いていても個人事業主感覚でやっている人はいるでしょう。僕もそれをお勧めしたい。少なくとも今よりプロ意識は研ぎ澄まされるはず。
「孤独」って感情的に寂しいときもあるけど、以上のような効用としての解釈もできる。
集団か孤独かはどちらでもいい。孤独を押し付けるつもりはない。それはその人の生き方の選択だから。
ただ僕は孤独を選んでみた、そして人生が変わった。それは確かだ。
孤独の効用、ご参考までに。
今日も笑顔を忘れずに。
今年も息子が似顔絵を描いてくれました。ありがとう。ちょっと日焼けしてる…