KOMA NOTE

”軽やかにシンプルに生きていく”考え方や実践をフリーランスの人材育成クリエイターがつづります。

上司のほんとうの役割とは?

NHK女性記者が過労死

 

NHKは4日、2013年7月に首都圏放送センターで勤務していた佐戸未和記者=当時(31)=がうっ血性心不全で死亡したのは長時間労働による過労死だとして、渋谷労働基準監督署が14年5月に労災認定していたと発表した。

 NHKによると、労基署は佐戸さんが亡くなる1カ月前、時間外労働が159時間に上ったと認定した。佐戸さんは東京都庁を担当、13年6~7月の都議選や参院選を取材。参院選の投開票があった3日後の24日に死亡した。選挙取材で土日も勤務、死亡前1カ月の休日は2日だけだった。 (ロイター)

 

企業の経営者、そこで働く方々を支援する仕事をしている僕にとってスルーできないニュース。またか・・。電通の事件の際、しっかりと批判していたと思いますが、NHKさん。

31歳、本当にお気の毒です。

 

経験上、企業組織というものは、ほっとくと仕事をどんどん複雑化し、増やしていく慣性があります。どうでもいい仕事(と呼ばれるもの)って身の回りにいっぱいありませんか?

 

自分も管理職として悪戦苦闘してきた経験と、現在は組織コンサルタントの端くれとして僕は、上司のみなさんにいつも伝えています。

 

「みなさんのほんとうの役割は、部下の仕事を”減らすこと”ですよ」と。

 

減らすことが上司の仕事。間違っても「増やすこと」ではありません。先に挙げた組織の慣性を知った上で、俯瞰し澄んだ目で今の職場を眺めてみてほしい。どうでもいいことがたくさん見えてくるはずです。その多くは社内向けの仕事。誰も読まない会議資料を毎回時間をかけて作成させてませんか?決まらない会議を1時間もかけて「定例」と称して毎週やっていませんか?欠席すると怒ったりしてませんか?アレもやれ、コレもやれ、がんばればできる!と無理なことを言ったりしていませんか?

 

基本的に部下は常に真面目で一生懸命です。良かれと思って仕事を増やし、こなしていきます。上司から見れば、実はどうでもいいことに貴重な時間を使って真面目に残業しています。そのあげくにみんなが忙しがっているのです。

 

どうでもいい仕事に部下の時間とエネルギーを使わせないこと

ほんとうに大事な仕事にフォーカスして、やらせること

仕事を見極めて、断つ

今の社会における上司に求められる能力です。

 

これとこれはやらなくていい。⚪️⚪️さんは今、ここに集中しよう。」

これが言える、バッサリと仕事を減らせる上司が世の中に増えることを願ってやみません。早く部下を帰らせましょう。

 

 

 

 

 

 

今、エンディングファイルをつくる理由。

今年の初めに亡くなった父は、生前にファイル2冊を残していました。その1冊は、葬儀の際に、誰を呼ぶか、どこの葬儀社に依頼するのか、担当者はこの人(見積もりまで取っていました)、どんな手順で進めたらいいか等、実務マニュアル的なものでした。亡くなった直後に母が発見し中身を見て驚いたのですが、突然配偶者を亡くし、悲しみとパニック状態に陥っていた母の精神安定ツールとして相当役に立ったことは言うまでもありません。

 

僕もファイルを作成し定期的に更新しています。ファイルなので最新のシートを作成し、入れ替えるだけ。

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俗に言うエンディングノートは書店などで様々売っていますが、僕は手製です。内容は、シンプルに仕事のことと、お金のことの2点だけ。この2つはもし突然僕の身に何かあった際、もっともブラックボックスでいて、大事なことだから。

仕事はたったひとりでやっている独立コンサルタント。真っ先に複数の方々に迷惑がかかります。プロジェクト進行中のお客様にはすぐ連絡してもらえるよう、優先順位を付けて定期的にリストを更新しています。

そして、お金のこと。1シートにすっきり整理して見える化しています。ちなみにみなさんの配偶者は、あなたの銀行カード、クレカの暗証番号や、こっそり積立投資している証券webのパスワード、生命保険の満期等、ご存知ですか?僕の場合、CASHはほとんど妻に渡してしまうので、銀行口座はほぼ空っぽに近い状態にしているのですが、株式投資はいろいろと行っています(現在妻は無関心なので、例えば「確定拠出年金が」といっても「カクテイキョ?は?」となるでしょう)。目的は家族が将来使うための資産形成なので、イザという時に扱い方が分からなかったら意味がありません。よっていつもわかりやすくしておく必要があるのです。

 

最初はエバーノートにまとめたり、パソコンでファイルを作っていたことも。でもデジタルの便利さは当事者には扱いやすくても、他者にとってみると意外とわかりにくいこともあります。そもそも僕のエバーノートなんてみねぇだろ、と。よって今のところアナログですがポケットファイルに落ち着いています。実務的にはアナログが効率的だったりするものです。

 

こういったエンディングノート(ファイル?)は、たとえ今若くても、少しづつでいいので準備しておくとよいと思います。整理すると色々な面白い発見や気づきがあるでしょう。リスト化し、優先順位を並べる際に、自分の価値観が露わになったり、経済的な感度が上がったり。

 

そして、忘れてはならない人生の真理。「誰しも、明日は保証されていない」こと。僕たちはつい明日も明後日も来年もやってくると思っている。でも本当はそうじゃないんですよね。定期的にエンディングファイルを整理する=「死」を意識することで、実は今の時間を濃くすることにつながってくるのだと思います。

 

最近仕事に追われてクタクタになっているあなたへ。

100円ショップでファイルは手にできます。今度の週末にでも手書きでもパソコンでもいいので、1枚だけ書いて入れてみてください。

 

僕からの質問は2つです。

・あなたにとって本当に大事な人は誰だろうか?

・その人へ一番伝えたい情報とはなんだろうか?

 

どうぞお試しを。

 

 

 

 

 

 

 

 

書を捨てて、芋を掘りに出かけよう。

秋晴れの日曜日、家族で芋掘りをしに出かけました。

 

www.savor-farm.or.jp

 

田舎で育った僕には、土を触るという行為は日常にあった。しかし、都会で生まれた我が子たちにとっては、芋掘りは立派なイベント。

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いいですね、自然に触れるのは。土のひんやりした感触や、土の中からミミズなどの生き物が登場してきたり・・。興奮気味に土を掘り返す。そして大きな芋が見えると丁寧に輪郭を出していき、大胆に取り出す。根がたくさんつながっていることへの驚き。

 

自然というのは、いつも優しい。何か人の営みにおけるシンプルな基本を教えてくれるような気がする。

 

食欲が行き過ぎると人はメタボになるように、書やPCにかじりつき、ノウハウや知恵を求めれば求めるほど、人は知識メタボになっていく。最近の僕がそうだった。

知識メタボの弊害のひとつとして、人間はあらゆることを「コントロールできる」という勘違いをもたらす。この勘違いはストレスの元。

 

 

例えば、この芋。

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 果たしてこの芋は、人が作った(生産した)のだろうか。違う。「なった」のだ。

「成長させる」のではなく、「成長する」んだよね。

子どもは「育てる」のではない、「育つ」んだよね。

これは僕のコンサルティングの領域である人材育成の忘れちゃならない前提。

 

この前提を置いた上で、はじめて僕が何を「する」のかが見えてくる。 

穀物も、野菜も、家畜も、そして人間も。頭を引っ張って「大きくな〜れ!」といっても、決してそのとうりにはならない。

しかし、僕も含めて人の心は油断すると、すぐに他者をコントロールしたい、思い通りにできる「はず」という幻想を作り出す。とくに最近のビジネス書やネットとの付き合いには注意したい。

 

人を導く立場のあなたにも言えるかもしれない。

書を捨てて、今度土を掘りに出かけてみよう。

人を導く大切なキホンを、自然は優しく気づかせてくれるはずなので。

 

 

 

 

色付けが未来をつくっている。

目の前を歩いていた人が小さな突起に足が引っかかり、ハデに転んだ。

 

さて、あなたならどう思うか?

①アハっ!バカな奴だな(他人事、批判しか思いつかない)

 

②あそこに突起があるのか、危ないから避けよう(自分ごとに置き換えている)

 

③後ろからご老人が歩いてくる。教えてあげよう。(受け取った情報を役立てている)

 

 

事実というのは、無色透明です。

その色付けを僕らが勝手にしているだけ。大事なのはその色付け(解釈)を僕らは自由に選択できること。解釈次第でその後の人生への影響は大きく異なります。

 

しかし、多くの人はこの事実に気がついていない。仕事でも普段の暮らしにおいても。そのため状況に不平不満を言い、変えられない環境に愚痴をこぼすのです。

 

生まれて初めて、僕らの国の上空をミサイルが飛んでいるという事実。

こんな時だからこそ、僕らはこの事実にどんな色付けを選択するのか、解釈力を試されているように思うのです。

 

メディア情報や識者の意見は参考程度に。「世の中どうなるのか?」ではなく、必要な問いは「自分はどう生きるのか?」ですよ。

自分の頭で考えてみましょう。抽象的ですが、僕はより良い未来への色付けをし続けます。人間の知性を信じて。

 

 

 

 息子が、最近のことにとても関心を持ってアレコレ質問してきます。世界を知る良い機会です。地球儀を見ながら地政学を一緒に考えてみたいと思います。

 

部下が育つ「たった1つ」のこと。

管理職のあなたへ。

「もし部下の成長のために、”たった1つ”のことしかできないとしたら、何をしますか?」

 

現在はたったひとりでコンサルタントをしている僕ですが、かつては組織の管理職として、部下育成にも尽力していました。新卒、中途、男女様々な人材の成長を支援していた時期があり、その悪戦苦闘の経験が今の仕事につながっています。たくさんの失敗、かすかな成功。でもみんな成長し活躍してくれました。縁あって僕の部下となったかつての仲間たちには、今でも本当に感謝しています。

 

さて、今お会いする経営者のぼやき、いや課題の第1位はほぼ「人材育成」のことになります。

「人、育たねぇよ。人を育てられる人がいねぇんだよ。。。」

 

だから、まだやりますか?管理職研修。

自分の仕事の一部を否定するようですが、従来の情報伝達型ならば、わざわざ集合する必要はありません。そもそも1日とか時間をかける余裕は中小企業にはむずかしいはず。今の時代、情報はいくらでも手にできます。

そして自分の首を絞めるようですが、研修はよほど工夫と覚悟をしないと、結果には結び付きにくいでしょう。それは今までの研修してきた過去を振り返れば分かりますよね?

何より、研修、受けたいですか?あ、いうてしもうた…

 

しかし、人が育つ魔法のようなソリューションが欲しい気持ちはわかります・・・

もちろんそんなものはありませんが、かつて自分が管理職時代にやっていた”あること”を今日はお伝えします。参考にしていただけたら幸いです。

 

それは何か?キーワードは、

「たった1つ」。

たった1つあることをする、以上終わり。こんな感じです。

でもバカの一つ覚えのように、毎日繰り返します。そのたった1つを。現代は情報爆発時代、アレもコレもとノウハウを追い出すと、知識メタボになるだけで行動は変わりません。今日も明日も迷走するだけです。

 

物事はシンプルに、シンプルに。いつも「たった1つ」であることが、物事の成果を変えるものです。

 

ではお待ちかねの、部下が成長する管理職の「たった1つ」とは?

 

 

 

 

「毎日、部下のノートを見る。」以上です。

・お客様とどんなコミュニケーションをしているのか?

・会議でどんなノートをとっているのか?

・仕事や頭の進捗具合・・・

 

見たことあります?もしも見たことないのであれば、「はいノート、見せて。」ですよ。毎日ノートを見ていると、ある大切な真実に気づきます。

 

「ああ、ワシは部下のことなんにもわかっていなかったのぉ・・」と。

多いのです。わかったつもりで注意したり指導したりしている管理職が。

何で伝わらないのか?行動が変わらないのか?と年中悩むあなたに一言、言っときたい。

 

的がズレてんですよ〜旦那。

 

まずは、部下のノートを見せてもらうことから始めてみてはどうでしょうか。ビジネス書などには決して書いていない、部下の真実がそこにあるはずですから。

部下の本当の課題、ストレス要因、アドバイスポイント・・・別に何か気の利いたことなど言わなくていい。ましてネガティブなフィードバックなどもってのほか。最初はノートを見ながら普通に質問したり、確認したり、感じることを相手に手渡すことから始めてみてください。3分もあればできます。どんなに忙しくても3分は時間取れますよね?

そのたった毎日の3分間が、部下を理解し、成長を下支えする分岐点となるのです。

 

最後に。こんな質問をよくいただきます。

「わたしの部下、ノートとってないんですけど・・その場合は?」

 

1冊ノートを渡してください。

ノートを取らない=思考しない、ような仕事は早晩AIやロボットに置き換わるでしょう。どんな仕事であっても知的生産していく要素はあります。その要素は増えてきてるはずです。ノートとは第2の脳と言われます。ノートに書くことは考えることと同義なのです。ぜひその部下のためにもノートを持たせ、書かせ始めてはいかがでしょうか。

ノートを活用することで、仕事の成果は確実に変わります。

 

・・・・まさか、管理職のあなたはもちろんノート、とってますよね?

今度、よかったら見せてください。活用のヒントも差し上げますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

コンサルタントはボケとツッコミのバランスが大切だ。

「最近、素直に反省したことがありますか?」

 

我が家のかわいい次男は1歳児。最近おもちゃの刀を振り回すようになった。無邪気に僕の叩いてくる。ぺしっ!と。なかなか痛い・・・。

 

さて、世の中の会社には、ロジカルなコミュニケーションを重視し、スパスパと物事をはっきりさせていく「明朗体質」な企業もあれば、物事をアレやコレやと感覚的に進める「曖昧体質」企業もある。それは人の性格同様、会社の社風であり個性だ。

僕のようなコンサルタントは、相手企業の個性を尊重しながらコミュニケーションしていく力が求められる。もちろん個性の否定なんてご法度だ。

 

・・・いつもそのはずなのだが、今日のプロジェクトミーティングは、プロとして反省点大ありだった。

曖昧を大切にする風土のクライアントの皆さんに、おもちゃの刀ではなく、恥ずべきことに言葉を振り回してしまったのだ。言葉とは扱い方を誤れば相手を傷つける刀にもなる。

 

お笑いに例えると、コンサルタントというのは主にツッコミの役割を担う。それを静かに期待されることが多い。しかし、鋭いツッコみだけでは相手はノってこない。同時に柔らかなボケも用意する必要がある。いい意味でバカさがないと愛されない。相手を愛し自分を愛されないと現実は動かない。これがコンサルタント歴16年の経験則。今日はボケが完全に抜けていた。。(ちょっとよく分からない例えかもしれないが)

 

いいボケとツッコミをするには、「待つこと(間合い)」が大切なんだよね。焦っちゃいけない。

 

いつの世も「正論」とは上から目線の速球となるもの。決して僕は上から目線で切れ味よろしく物事を語れるような大御所コンサルタントではないし、目指す芸風でもない。

 

改めて自分の役割を再認識。僕の役割とは一つの「正解」を投げることではない。

各々の知恵やアイデアをつむぎながらそこに関わる人たちとの「納得解」を一緒に創っていくこと。その過程が何よりやっていて楽しいし、コンサルタントという仕事のやりがいだと思っている。

 

帰りの新幹線、夕日を浴びる富士山を目にしながら、今日の自分のコミュニケーションの取り方を反省をしていた。一瞬、自己正当化しようとしていた自分に気づいた時、猛烈に恥ずかしくなった。あーまだまだ未熟…

今夜は素直に反省しよう。そして、明日は楽しくボケていこう。

次回のプロジェクトミーティング、楽しみにしていてください!

 

 

 

 

保留するという知性。

即断、即決ができる人に憧れませんか?

白か黒か、やるかやらないか、選ぶのか捨てるのか。瞬時に決めていく。できる人って感じがしますよね。

 

正直、僕は元来苦手です。「 夜ごはん何を食べたい?」と愛する妻に聞かれてスパッと答えられず、「・・なんでもいい」と一番男としてランクの低そうな返答しかできません。そんな自分が嫌になるときさえあります。一度「そうだな、カツカレーだ」と漢らしく即答してみたことがありましたが、カロリー半端ないとのことで即却下されました。。決断というのは難しいですね。

 

ただし、フリーランスという僕の立場は日々自分で決めていかないとなんにも前に進まないので、仕事では毎日がトレーニングのようなもの。いつも好評をいただく思考整理セミナーで行っている「紙メモ」の方法で僕自身も日々修練しています。

 

その上で、最近思うのは、物事にはあえて「保留する」ということも大事じゃないかということです。つまり、そこで決着をつけなくてもいいという許可をすることです。

 

仕事においては必ず相手がいます。相手は白といい、僕は黒という。そんなときに無理して決着をつけてもコミュニケーションのゴールにはなりません。
仕事も人間関係も明日も続くのです。自分の思い通りにしようと、そこでムキになって論破してもしんどいのです。自分も相手も。

 

メディアや書籍を出す有名な方の中にも、たまに見かけます。(あくまでその方の一面でしかないという前提ですが)固有名詞は控えますが、彼らに共通するのは、この世を敵と味方に分ける。「俺の言うことを分かる奴は味方、分からない奴はバカ」と二項対立で攻め立てます。徹底的にアンチ扱いにする。
わかりやすい例をひとりだけ挙げると、現アメリカ大統領。
先の選挙戦ではまさにそうでしたよね。敵と見るやいなや、ムキになって相手を論破する。そういう人は、わかりやすく賛否を得やすいが、反面もし僕のそばにいたらなんだか息苦しい。人間が狭くなっていく気がするのです。

 

今ここで決着をつけなくてもいい、というのは、決められない弱さや逃げではなく、保留するという大人の知性のひとつなんじゃないか。

そんな見方ができると、新たな知恵を生み出そういう余裕につながります。
その場が勝ち負けではなく、共に創ろうというクリエイティブで有意義な話し合いの場になっていくのではないでしょうか。

 

今日は、9・11アメリカにとってはとても大切な日。何事も起こらないことを願いつつ、僕にできることを今日も笑顔で行います。